マンジャロの副作用と危険性
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病の治療薬として承認されていますが、その高い体重減少効果から、メディカルダイエットでも使用されています。
しかし、薬である以上、副作用や危険性について十分に理解しておくことが重要です。
マンジャロの主な副作用
多くの場合、治療の初期や用量が増えた際に現れ、体が薬に慣れると軽減される傾向があります。
■ 消化器系の症状:
吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、消化不良、食欲減退など最も多く報告される副作用です。
薬の作用で、胃の動きがゆっくりになるため、「ご飯を食べるのがしんどいな」「なんか胃がもたれるな」と感じることがよくあります。胃腸の動きが変わることで、トイレに行く回数が増えたり、お腹に違和感を感じたりすることがあります。
これらの症状は、薬を使い始めた頃に起きやすく、体が慣れてくるとだんだん落ち着くことが多いです。
消化器症状の予防策
・1回あたりの食べる量を減らす。
・満腹感を感じたらそれ以上食べるのを控える。
・消化に時間がかかる脂肪分の多い食べ物(肉類や揚げ物など)はできるだけ避けるようにする。
などの工夫をしてみるのもいいでしょう。
■ 低血糖:
冷や汗、手が震える、ドキドキする、強い空腹感など。ひどくなると、意識がぼんやりしたり、倒れてしまったりすることもあります。
GIPとGLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず、食事をとって血糖値が高くなったときに働くため、それだけでは低血糖を起こしにくいといわれています。
特に他の糖尿病治療薬(インスリン製剤、スルホニルウレア剤など)と併用している場合に、低血糖のリスクが高まります。
低血糖の対処法
・「おかしいな、低血糖かな?」と感じたら、すぐにジュースやアメを食べてください。
■ 注射部位の反応:
注射した部位の赤み、腫れ、かゆみ、痛みなどが起こることもあります。
■ その他:
頭痛、筋肉痛、倦怠感、疲労感、疲れやすさによる眠気、気分の変動(うつ病などの精神疾患に影響を与える可能性)などの症状がでることもあります。
マンジャロの危険性と重篤な副作用
頻度はまれですが、命にかかわる危険な副作用も報告されています。異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが不可欠です。
•急性膵炎:
持続的な激しい腹痛(背中にまで響くような痛み)や嘔吐を伴います。
•胆嚢炎・胆石症:
急激な体重減少が胆嚢に負担をかけ、発症リスクを高めるとされています。右上腹部の激しい痛み、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が現れます。
•腸閉塞(イレウス):
高度の便秘、腹部膨満、持続的な腹痛、嘔吐などの症状がみられます。
•アナフィラキシー:
非常に稀ですが、重度のアレルギー反応として、呼吸困難、血圧低下、全身のじんましん、顔や喉の腫れなどが急速に進行します。
使用にあたって特に注意が必要な人(禁忌・慎重投与)
以下に該当する方は、マンジャロの使用が禁忌または慎重な投与が必要です。
- 1型糖尿病の患者: マンジャロは1型糖尿病には適していません。
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡: 速やかなインスリン治療が必須となるため、使用できません。
- 急性膵炎や胆石症の既往歴がある方: 副作用のリスクが高まります。
- 甲状腺髄様癌の既往または家族歴がある方、多発性内分泌腫瘍症2型: 動物実験で甲状腺腫瘍との関連が指摘されているため、安全性は確立されていません。
- 重度の腎機能障害や肝機能障害がある方: 薬剤の代謝・排泄に影響が出る可能性があります。
- 妊娠中、授乳中または妊娠する可能性のある女性: 安全性が確立されていません。
- 成分に対して過敏症(アレルギー)の既往歴がある方
危険性を避けるために
マンジャロは、適切な診断と管理のもとで使用することが非常に重要です。
- 医師の指導を受ける:
自己判断での使用や、個人輸入は避けてください。健康状態や他の疾患、服用中の薬などを正確に医師に伝えましょう。 - 副作用の兆候を把握する:
消化器症状が強く出るなど、持続的な腹痛などの重篤な副作用の兆候が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。 - 定期的な健康チェック:
治療中は、定期的な採血などの検査を受けることが推奨されます。
リスクも理解し、医療機関と連携しながら正しい使い方で安全に使用することが何よりも大切です。
当院の診療内容
新宿駅前クリニックではマンジャロ2.5㎎1本4000円・1本5㎎7000円(税込)にて予約不要で処方しています。定期的に採血することもできます。
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